1000人→20人 かつて上場企業を震え上がらせた総会屋はなぜ姿を消したのか?
かつて大手銀行や一流企業に食い込み、株主総会を仕切るなどして会社側から多額の利益供与を受けていた「総会屋」が様変わりし始めている。
議事進行を声高に妨害する“旧来型総会屋”はほぼ姿を消し、株主総会が集中した6月も大きな混乱はなかった。
法改正やコンプライアンス意識の高まりが背景にあるが、警察幹部は「水面下にもぐって利益を得ている勢力もいる」と警戒を強めている。
■かつての経済事件の主役も絶滅寸前に
「もう総会に出席しなくなってから随分時がたちます」。かつて国内有数の総会屋グループに属していた元総会屋の男性はそう話す。
いまは、当時取得した株の配当を受けるのみだという。
総会屋は、企業のスキャンダルをめぐって総会を荒らしたり、逆に仕切ったりすることで、企業から利益供与を受けてきた。
元総会屋の男性によると、当時の総会屋グループは担当に分かれて企業の決算書類を分析したり、企業を訪問して情報収集したりしていた。
そのなかで不祥事を探り出しては、企業側に利益供与を求めていたという。
平成9年には、野村、山一など当時の4大証券と第一勧業銀行の幹部らが総会屋に損失補填(ほてん)や不正融資をしたとして逮捕される大型の総会屋事件が続発した。
だが、ピークの昭和末期には千人以上いた総会屋は、警視庁組織犯罪対策3課によると、現在約170人。実際に活動を続けているのは約20人にとどまる。
■総会屋出席はわずか8社に
総会屋はなぜ姿を消したのか。警察幹部は「利益要求を禁じた商法改正の効果は絶大だった」と振り返る。
総会屋への利益供与は商法で禁じられていたが、9年に罰則が懲役6月以下から3年以下に引き上げられ、
総会屋による利益要求自体を禁じる「利益要求罪」も新設。12年には子会社による利益供与も禁じた改正商法が成立した。
「さらに近年は風潮的にも企業のコンプライアンスが強く求められるようになった」と説明するのは警視庁幹部。
「社外取締役などの仕組みもでき、一般株主も経営改善を積極的に要求するようになるなど、環境が激変した。
旧来の総会屋は基本的にほぼ壊滅したといっていい」と分析する。
今年の株主総会集中日である6月29日に全国で総会を開催した780社のうち、総会屋が出席したのはわずか8社。いずれも紛糾することなく終了した。
こうした流れを受け、総会屋の活動を制限するため、同じ日に集中してきた株主総会も分散傾向にある。
今年、株主総会集中日に総会を開いた企業は、統計が残る2年以降で最少となった。
■狙われる「上場廃止予定企業」
一方で、新たな手法で株主の権利を追及する個人株主のグループも出てきた。
取材に応じたグループの関係者によると、狙うのは上場廃止を予定する企業。廃止に際し、株を低価格で買い取る企業が多いため、廃止公表後に株を取得。
その後、企業側を「買い取り価格が低すぎる」などと要求し、取得価格よりも高く買い取らせて利益を上げるという。
また、無理難題を要求して自己顕示欲を満たすためとしかいえない行動を繰り返し、警察当局が「特殊株主」と呼ぶ株主もいる。
6月20日、かつて所有していたマンションの住人を脅迫して退去させようとした強要未遂容疑で逮捕された橋本和夫容疑者(76)はその典型。
約800社の株を持ち、総会に出席しては不規則発言を繰り返し、今年は75社の総会に出席し、50回発言。うち12回は退場を命じられた。
ただ、一部では不当な利益を得ている総会屋も根強くいるという。
捜査関係者は「ある会社の総会で発言し、ライバル会社から利益を受ける例もある」と指摘。「水面下にもぐった総会屋の実態解明は必要だ」としている。
変なのが一株でも買うとすぐ連絡が来るしな
そういやロートで捕まったネトウヨも総会屋対策の部署に逮捕されてなかったっけ
あれも総会屋行為の一環だったのかな
≒暴力団だから暴対法からは逃れられんよ
そんでモラルハザードが起こって日本企業は虫の息ですよ
映画の金融腐蝕列島呪縛面白かったな
日本だから成立した職業だな