円安が進み、株価が上がって景気が良くなっている印象が世の中に広まっている。
確かに失業率は下がり、倒産件数は減った。個人所得も、ほんのわずかだが上昇したそうだ。
しかし、これは日銀総裁の黒田東彦氏が始めた「異次元」金融緩和というカンフル剤が効いているだけだろう。
ばらまいたお金はいつか回収しなければいけない。銀行にはお金があり余っているらしく、不動産関係の融資はユルユル状態だという。
「国債」という安全安定資産を保有する選択肢が狭まった以上、銀行としては多少のリスクをとっても不動産融資に走らざるを得ない。
それが、マンションの「局地バブル」を呼んでいる。
何度か書いた通り、今の東京都心と湾岸、さらに城南エリア、武蔵小杉、京都市の一部、仙台市のマンション市場は異様に高騰している。このうち、仙台市は実際に「住む」という需要に支えられているので、バブルとは言えないかもしれない。しかし、他のエリアは実需以外の投資目的の買いが中心だ。
最近、私のところに「不動産暴落」をテーマにした取材が頻々としてやってくる。
よく聞かれることは「いつこのバブルが崩壊するか」。私は、以下のように答えることにしている。
まず、2016年に「賃貸の危機」がやってくる。アベノミクス開始以降、売れに売れた都心の新築マンションが16年から大量に竣工する。それらの多くが投資目的で買われているので、一斉に賃貸市場に登場。ただでさえダブついている都心の賃貸マーケットは、一気に過剰感が高まる次は17年4月の消費増税。これまでの例から、消費税が上がった後には必ず景気後退がやってくる。14年4月に8%になった時にもやってきた。
ところが、黒田日銀総裁が異次元の金融緩和第2弾(俗にいう「黒田バズーカ2」)を行ったために、後退感が払底された。見事な施策だが、これが今の「局地バブル」を膨らませている。
さらに19年には日本の世帯数が減少に転じる。世帯数=住宅需要と考えていい。人口減少は数年前から始まっているが、世帯数が増えていたので住宅への需要はわずかながら増加傾向にあった。それが4年後にはハッキリ減少に転じる。
さらに20年には五輪が終わる。そして、首都東京の人口も減少に転じる。
このように見ると、日本の住宅産業にとって需要の「山」はないが「谷」の連続である。今の局地バブルなどいつ崩壊してもおかしくない。
しかも、バブルになっているのは、日本全体からするとほんの一部のエリアのみ。郊外や地方の不動産は下落が続いている。
さらに「タダでももらってくれない」という土地や空き家が山のようにある。それを考えれば、今の都心の局地バブルはいかにも不自然だ。
私の事務所にやってくる相談者にはいつも同じことを言う。「今は売り時ですが、買い時ではありません」。冷静に市場を見る時である。
確かに賃貸の値段は下がっている。
マンションではないけど最近雑居ビルの空きテナント看板も増えてる気がする
今度不良債権化しても政府は銀行の面倒見るなよな。
大手デベロッパーによる「『30年一括借り上げ』方式」ですね。
分かります。
土地バブルは来ない、ITバブルがそうであったように
得体の知れない時にバブルになる、ITで世の中が変わる
と異常な値がついた。
土地の適正価格と先細りを知っているので土地バブルはない。
>郊外や地方の不動産は下落が続いている。
>さらに「タダでももらってくれない」という土地や空き家が山のようにある。
>それを考えれば、今の都心の局地バブルはいかにも不自然だ。
東京都心と地方を同じ土俵に上げて比較し、それを根拠に論陣を張るというのは
どうかとおもうが。都心の不動産価格は、為替や世界全体の景況感にも左右されると思うし。
新築4カ月連続前年比割れ…不動産バブル「崩壊」衝撃データ
2015年5月20日
アベノミクスで儲けた面々や海外投資家らが湾岸の高層タワーマンションを買い漁り、都市部で局地的に起きている不動産バブル。
しかし、危険水域にあることを示す兆候がいくつも出始めている。バブルがはじけるのも意外に早そうだ。
■「早ければ夏から」と専門家
18日、不動産経済研究所が発表したデータに不動産業界は衝撃を受けている。
4月の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンション発売戸数が前年同月比7.6%減の2286戸と4カ月連続で減少。
4月としては1992年(1365戸)以来の低水準を記録したのである。
住宅ジャーナリストの榊淳司氏が言う。
「ひと桁に収まっているのでハデな印象はありませんが、前年割れが4カ月連続なのはディベロッパーが急激に萎縮し始めている証左です。
基本的にディベロッパーの営業方針はイケイケ。営業マンは何とか前年の販売実績を上回ろうと頑張ります。
それができない、というよりは恐らく、意図的にしないのでしょう。
今の建築コストの上昇と地価高騰分を回収できないリスクが高いと判断したのだと思います。バブル崩壊を警戒しているのは明らかです」
危険水準に達しつつあるのは新築マンションだけではない。
不動産調査会社の東京カンテイの調査によると、東京23区の中古マンション価格は1年前に比べ約8%上昇したが、
上がり続けるのは今後1年間だけで、17年春以降は頭打ちになる可能性があるという。
もっと深刻なのは、賃貸の動向だ。
首都圏の今年4月の分譲マンションの賃料は前月比0.5%下落した(東京カンテイ調べ)。
前出の榊氏が言う。
「私が取材している感触では、下落幅は0.5%なんてものではありません。賃貸は完全な借り手市場。
一定期間の家賃を実質的に値引きする“フリーレント”などを含めると、この3~4年間で2割以上下がった印象です。
賃貸は外国人の“投機マネー”などの影響が少なく、人口減少などの影響がモロに出ます。
需要が減り、価格が下落するという当たり前の動きをしています。
賃貸価格が下がれば、当然、新築と中古物件の下落圧力になります。
賃貸に引っ張られる形で分譲マンション全体の値段が下がるのは時間の問題でしょう。
早ければ、夏以降に始まるかもしれません」
目先の数字とアベノミクスのお祭り騒ぎで不動産業界は好景気に沸いているように見えるが、“バブル”がはじける兆候はいくつもある。
購入を検討している向きは警戒した方がいい。
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